
正直、期待していただけにちょっと落ち込んでいます。「新、僕の妻と巨根の元AV男優部長」というタイトルが謳う上司NTRのプロット自体は優秀なはずなのに、映像化された成果物がその可能性を完全には引き出しきれていなかったというのが率直な感想です。素材は絶対に悪くない。菊乃らんという女優の力も感じたし、ドラゴン西川監督の手による場面もある。なのになぜか、「もう少しで傑作だったのに」という未完成な興奮で終わってしまいました。(本当にもったいないんですよ)
上司NTRというジャンルの最大の面白さって、圧倒的な権力差から生まれる理不尽さにあるはずなんです。相手が逆らえない立場にいるからこそ、「なぜこんなことに」という旦那さんの無力感が引き立つ。心が痛むんですよ、本来なら。でもこの作品では、その権力関係がイマイチ説得力を持って立ち上がっていないんです。元AV男優という「肉体面での優越性」はあるんですけど、本当の意味での職場での圧力みたいなものが曖昧に感じました。シーンとしてはあるんですよ。旦那さんが無能呼ばわりされるくだりもある。でも、それがどうしても「演じられている」感じから抜け出せない。(脚本の力不足ってやっぱり画面に出るんですね)ドラマ仕立てのNTRだからこそ、その細部の脚本構成がダメージの大きさを左右するのに、そこが甘かったというのが正直なところです。
映像的には、確かに丁寧なカメラワークが試みられているんです。特に、妻が部長の手の動きに反応する瞬間のクローズアップは良くできていました。罪悪感と快感が混在する表情を捉えようという意図は伝わってきます。ただ、その表情が「変わっていく過程」を見せるカット割りが足りなかったんです。一気にガラッと変わってしまう印象で、じわじわと堕ちていく恐ろしさがなかった。上司NTRはね、その権力関係を背景に「本当はダメなのに」という空気が徐々に崩れていく過程が命なのに、この作品はどうしても「では本番です」という切り替わり感が前に出てしまっている。あと、全編通して背景が単調だったのが惜しい。オフィスの机、会議室、その場所の「職場」という性質がもっと空間的に伝わってくれば、権力構図も説得力が増したはずです。唯一、寝取りのシーン中に旦那さんが別室で仕事をしている遠景が映るところがあって、そこで「ああ、近いんだ。逃げられないんだ」という圧力を感じたんですけど、それが全体的にはもっと活かされるべきでした。(その工夫があれば、もう少し胃が痛くなったはずです)
菊乃らんの演技については、これは本当に評価したい部分です。彼女は「苦悶」と「快感」の境目を身体で表現しようとしているのが伝わります。特に、部長に触られるときの肩の力み方、息継ぎのタイミング、目の動きに、何かしら「いけない」という感情が残っているんですよ。それが本当に良くできていた。相手役の部長役については、「支配的」というより「自信」みたいなものは感じたんですけど、やっぱり何か荒くてね。菊乃らんの繊細さに対して、相手が力押しに見えちゃったというか。上司NTRって、相手側の「職場での立場を活かした支配」と「肉体的な優越感」が両輪で回らないと説得力が出ないんです。この作品ではどちらかというと後者に寄りすぎていて、前者が弱かった。菊乃らんの良さを引き出す脚本と映像があれば、そこが倍になったはずなのに。(本当にもったいない)
シチュエーション自体は、実は結構いいんですよ。真面目な妻が部長に従わされる。それを旦那さんが知る。でもそこに抗えない。このプロットは十分に心を壊す可能性がある。問題は、その「プロット」と「実現」の間に距離があったってことです。妻がなぜ部長に従うのか。最初は部長の圧力ですよね。でもそこから「快感に目覚める」という変化への過程が、ちょっと駆け足だった。もう少し揺らいでもいいんじゃないか。もう少し旦那さんのことを思い出してからまた落ちていく、みたいな揺らぎがあってもいいんじゃないか。そういう心理の層の厚さが欲しかったんです。それに、本当に申し訳ないですけど、構成自体が「定型」に感じたんです。悪いことじゃないんですよ。むしろ安定感がある。でも、上司NTRという特殊な設定を活かすなら、その定型を壊すような工夫があってもいいのになって。会議中にスマホでやり取りするくだりを見せるとか、同僚の目が光る中での立ち振る舞いとか、「職場」という舞台装置をもっと活かせたはずなんです。
音響周りはね、実は結構上手いなって感じたんです。BGMが過剰でなくて、環境音をちゃんと入れてくるのが良い。菊乃らんの声ですね。旦那さんとの会話では一本調子だった声が、部長の前では少しトーンが下がる。それが言葉数の減少と相まって、「支配されている」感じが出てるんです。ただ、その音的な工夫も全体のストーリー構成がもっとしっかりしていれば、もっと活きたはずだと思うんです。音だけで頑張ってくれている感じがしちゃったんですよ。本来なら脚本と映像と音が三者一体で「背徳的な雰囲気」を作り上げるべきなのに。(三つが揃えば、心が本当に壊れるはずなのに)
フル視聴で分かる部分としては、やっぱり後半の「旦那さんが気付く」くだりですね。146分の長さを活かして、中盤から後半への転換を丁寧に見せているはずです。サンプルでは「妻が部長に従う」という事実だけが提示されているんですけど、フルで観れば「旦那さんがそのプロセスをどう受け入れていくのか」みたいな心理描写があるんじゃないかって期待したんです。実際に観てみると、そこはちゃんとあるんです。ただ、その心理描写がね、やっぱり「脚本として完成しきっていない」感じがしちゃったんですよ。旦那さんのモノローグとか、思考をもっと掘り下げてくれたら、そこで初めて全体のダメージが完成するはずなのに。146分という時間をもっと活かしきれたはずです。(観た後、旦那さんの気持ちを考えると、本当に胸が痛くて。でもそれも脚本の弱さで薄れちゃったんです)
同じく上司NTRものでいうと、Fitchの「僕の妻と上司」シリーズとか、アタッカーズの「上司と妻」みたいな作品と比較すると、心理描写の層の厚さが落ちるんです。あの作品たちは、職場での権力構図がもっと実感として立ち上がってくるんですよ。見ている側が「ああ、この構図は逃げられないんだ。旦那さんはどうすればいいんだろう」って身体的に感じさせてくる。そして心が壊れる。この作品では、そういった「設定の説得力」が及んでいない。肉体的なシーンは多いんですけど、背景にある心理戦の部分が弱い。つまりね、上司NTRとしてのカテゴリではなく「単なる浮気ハメ撮り」に見えちゃうリスクがあるんです。それは本当に惜しい。上司NTRならではの「逃げられない感じ」が、僕に欲しい。(なんで求めちゃうんですか、本当に)
正直なところ、この作品は「買いを迷わせる作品」です。値段は300円台ということで、実際のコストパフォーマンスは悪くない。146分の収録時間も申し分ない。でも、そこに詰まっているコンテンツとしての満足度が、その値段と時間に追いついていない感じがするんです。菊乃らんの演技は本当に頑張っています。ドラゴン西川監督の手による場面もある。なのに、全体としては「もう少しで傑作だったのに」という気持ちで終わってしまう。
条件付きで言うなら、「上司NTRをあまり観たことがない初心者向け」「菊乃らんのファン」であれば、その値段ならトライする価値があるかもしれません。でも、すでに同ジャンルの傑作を何本か経験している人なら、別の作品を優先する方がいい。僕自身、「この枠にもっと完成度の高い作品がある」という確信があるので、ここは正直に【見送り推奨】とさせていただきたいです。期待していたからこそ、その落差が大きく見えてしまったというのもありますけど、それでも「素材を活かしきれていない」という評価は変わりません。タイトルが謳う「ナゼここまで変えられたのか」という問いへの答えが、映像として十分に説得力を持って返されていないんです。心理描写の厚さ、権力構図の実感、職場という舞台の活かし方。そのすべてにおいて、上司NTRの傑作と比べると一歩及んでいない。それが全ての理由です。(本当に、もう少しだったのに…)
サンプル画像












出演: 菊乃らん
メーカー: Fitch
ジャンル:
ハイビジョン 独占配信 原作コラボ 巨乳 人妻・主婦 寝取り・寝取られ・NTR 中出し 単体作品








